いつもそばにいるとばかりおもっていました(三橋)
「もっと知ればいいじゃないか! 怖がりすぎなんだよ三橋は!」
三橋の血潮は枯れ果てる。 網膜がジリジリと痺れるように熱くなって涙がぎゅーっと満ちてきた。
激した空気には似つかわしくないほど、静かに扉を閉めて。
胸の中を乱暴な指に掴まれ残酷に握りしめられている感覚が、三橋を苦しめた。たまらずうずくまって、
「ひっ……っく」
しゃらしゃらという音を聴き顔をあげたら、いつのまにか雨が降っていた。
叫びだしてしまいたかった。
無意味だと冷たく言い捨てられても、名前を呼んでいたかった。
幼くて臆病で素直でけなげで身勝手な少年は、はじめて切なさという糸に縛られる。 同じ糸に、栄口が長い間ずっと縛られ続けていることを知らないまま。 |
いつもそばにいるとばかりおもっていました(三橋)
お題を使った続きものです。
三橋→←←←←←←←栄口の関係でしたが
イッパイイッパイになった栄口くんが爆弾を投下しました
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